ドールとC.C.レモン (後編)
―サントリー食品インターナショナルは1日、「C.C.レモン」の新商品を発売し、都内でイベントを行った。
―1994年に発売された「C.C.レモン」は、コカ・コーラ、ペプシに次ぐ第3位の売り上げを誇っており、過去には、渋谷公会堂の施設命名権を獲得し「渋谷C.C.Lemonホール」と名付けるなど、知名度は抜群だ。
―イベントには、グラビアアイドールの沙織(さしき)さおりが登場。以下、イベントの様子をご覧ください。
―それでは、早速、新商品を紹介しましょう。
―こちらが新商品の「C.C.レモン GOLD」です！ちなみに、隣にあるのが通常の「C.C.レモン」です。
―「C.C.レモン GOLD」は、通常の「C.C.レモン」と同じレモン50個分のビタミンCの他に、ローヤルゼリーエキスを配合し、強めの炭酸が特徴のエナジー系ドリンクとなっております。
なるほど。
それにしても「C.C.レモン」はすごいですね。これ一本にレモンを50個も使っているなんて。
―いいえ、レモン50個ではなく、ビタミンCがレモン50個分含まれているという意味です。
でも、同じことですよね。レモン1個には、レモン1個分のビタミンCが入っているのですから。
―いいえ、レモン1個には、レモン6個分のビタミンCが入っています。
は？
あのー、言っている意味が分かりませんが？
―どうやら、沙織さんは「レモン何個分のビタミンC」という表現を、よく理解していないようですね。
―分かりました。では、「レモン果実1個当たりのビタミンC量」について、分かやすくご説明いたしましょう。
―まずは、こちらの「はかり」を使って、どれでもお好きなレモン1個の重さを量ってください。
分かりました。
えーと…120gです。
―おぉ！そうですか。
―レモンには様々な大きさのものがありますが、レモン1個の平均的な重さ「目安重量」は「食品成分表」において、120gと定められています。ですから、平均的な重さのレモンを選んだようですね。
―では次に、レモンを半分に切り、こちらの「レモン絞り器」を使ってレモンを絞り、果汁のみの重さを量ってください。
分かりました。
半分に切って…
絞り器に入れて絞ります。
残りの半分も絞ります。
―絞り終わったら、はかりに乗せてください。
―あらかじめグラスの重さは引いてありますので、メモリをそのまま読んでください。
えーと、36gです。
―なるほど。レモン120g中36gが果汁ということは、このレモンは30％が果汁ということですね。
―実は「食品成分表」においても、レモン全果に対する果汁分は30％と記されております。まさに、このレモンは平均的というわけです。
―そして、この果汁に含まれるビタミンCこそが、「レモン1個分のビタミンC」になるのです！
えーっ！？果汁のみですか！
―ええ、ですが、果汁のほとんどは水分です。実際、この果汁にどれくらいビタミンCが含まれているか分かりますか？
いいえ、分かりません。
―そこで、こちらのフリップをご覧ください。
―これは、先ほどから何度も登場している「食品成分表」のレモンとビタミンCに関する項目を抜粋したものです。沙織さんが量ったレモンは120gでしたが、これは100g当たりの成分表なのでご注意ください。
―これによると、レモン果汁には100g(100000mg)当たり50mgのビタミンCが含まれていると記されています。つまり、果汁の0.05％がビタミンCということになります。
―では、沙織さん、先ほど絞った果汁36g(36000mg)の0.05％はいくらになりますか？単位はmgでお答えください。
えーと…
36000mg×0.0005で18mgです。
―正解です。計算しやすいように四捨五入して「20mg」としましょう。
―つまり、この「20mg」が「レモン1個分のビタミンC」に相当するのです！
そうだったのですか！
―これを基に、「C.C.レモン GOLD」のラベルを見てみましょう。ビタミンCの量は100ml当り200mgと書かれています。つまり、ペットボトル1本500mlにはビタミンCが1000mg入っていることになります。
―レモン1個分のビタミンC」は「20mg」なので、1000÷20＝50(個)で、レモン50個分のビタミンC配合となるのです。
なるほど。
―ちなみに、正確な値「18mg」で計算すると1000÷18＝55.55…(個)となり、レモン50個以上のビタミンCが入っていることになりますが、多いことに文句を言う人はいないでしょう。
そうですね。
―ところで、沙織さん、このレモンの絞りカスですが、全くビタミンCが入っていないと思いますか？
いや、少しくらいは入っているんじゃないのですか？
―では、もう一度、フリップをご覧ください。
―これによると、レモン丸ごと1個(全果)には100g中100mgのビタミンCが含まれていると記されています。つまり、120gでは120mgです。正確には廃棄する部分(タネやヘタ)が3％あるので116.4mgになるのですが、誤差の範囲なので120mgとします。
―ここから果汁分30％を引いたとしても、明らかに絞りカスの方が多くのビタミンCを含んでいることが分かります。
えー！？絞りカスの方がビタミンCが多いのですか！
―では、沙織さん、120mgはレモン何個分のビタミンCに相当しますか？
えーと、レモン1個分のビタミンCが20mgだから…
120÷20で6個分です！
―正解です。
あっ！もしかして、最初に言っていた「レモン1個には、レモン6個分のビタミンCが入っている」とは、このことだったのですか？
―その通りです！
―ただし、「レモン何個分のビタミンC」という表現は、レモン果汁を使った飲料水やサプリメントなどに使われる表現なので、あくまで例えばの話ですが…
いやー勉強になりました。
でも、頭を使いすぎて少し疲れてしまいました。
―そのようですね。
―そんな時に最適なのが、この「C.C.レモン GOLD」です。強炭酸の刺激によって、気分がリフレッシュしますよ。どうぞ、お飲みください。
分かりました。では、いただきます。
ゴクッ…ゴクッ…
キターーーーーッ！(シャキーン！)
―なお、「C.C.レモン GOLD」は、1本(500mlサイズ)140円(税別)で好評発売中だ。
なーんてね。以前ネットで話題になった「レモン何個分のビタミンC」をネタにしてみました。ちなみに、まだ続きます。