ドールとユニクロ (後編)
―株式会社ユニクロは10日、「ヒートテック」新商品を発売し、都内でイベントを行った。
―2003年に販売を開始した「ヒートテックインナー」は、国内外で累計3億着以上を売り上げ、機能性保温下着の代名詞となっている。
―今年のヒートテックは、これまでの機能に加え、「原糸のマイクロ化」と「椿オイルの配合」により「やわらかさ」と「なめらかさ」の「2つの進化」が加えられ、これにより「ヒートテック2」とも呼ばれている。
―イベントには、新商品を着用した沙織(さしき)さおりが登場。以下、イベントの様子をご覧ください。
―早速、沙織さんには、新商品の「ヒートテックインナー2」を着ていただいておりますが、着心地はどうですか?
そうですねぇ…
なめらかな肌触りで、気持ちが良いです。それに、こんなに薄いのに暖かく…いや、暖かいというより熱いですね。
―そうですか…
―ヒートテックは、体から発散される水蒸気(汗)を吸収し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える「吸湿発熱」によって、保温性を実現しています。
―沙織さんはドールなので、汗ではなく油(ブリード)が常に体から出ている状態です。油は水に比べて熱エネルギーに変わりやすいため、人間より熱く感じてしまうのでしょう。
なるほど。
―ちなみに、今回の「ヒートテック2」には、「なめらかさ」を実現するため「椿オイル」が繊維に練り込まれていますが、実は、もう一つ、「暖かさ」を実現するため「ある植物」のエキスが練り込まれているのですが、何だか分かりますか?
―「ヒートテック2」には、「メラメラの実」をすり潰し、抽出したエキスが練り込まれています。
ちょっと待ってください!
「メラメラの実」は、この世にたった1つしか存在しませんよね?これで、何百万着という「ヒートテック2」を作れるのですか?
―ご安心ください。
―「ヒートテック2」に使用されている「メラメラの実」のエキスは、たった一滴「0.05ml」です。ですから、この実1つで約20万着の「ヒートテック2」を作ることが可能です。
―それに、例えこの実を使い切っても、すぐに新しい「メラメラの実」が誕生します。この世に1つしか存在はしませんが、この世から存在が無くなることはありません。
―現に、沙織さんのお手元に「メラメラの実」が存在しているじゃないですか。それは13代目の「メラメラの実」です。使用量が少ないので公表はしていませんが、「メラメラの実」のエキスが有ると無しとじゃ暖かさが全然違います。
そうですか…
いやー、しかし驚きました。まさか、「悪魔の実」が使われていたなんて…
―これで驚くのは、まだ早いですよ!
―実は、もう1着、「悪魔の実」のエキスを練り込んだ衣服が存在します。
本当ですか!?
―もし、よかったら、ご紹介しましょうか?
ぜひ、お願いします!
―「オペオペの実」のエキスを練り込んだ、ワンピース型の「ROOMウェア」です!
ええーっ!?
これが「オペオペの実」ですか!初めて見ました。
―食べないで下さいね。
―ちなみに、この「ROOMウェア」を着ると、体をバラバラにすることができるようになります。
へぇー…
―さらに、同じ「ROOMウェア」を着ている者同士の心と体を入れ替えたり、場所を入れ替えたりすることも可能になります。
すごいですねぇ…
―ただ、この「ROOMウェア」は「オペオペの実」1個から、たった5着しか作れません。大量に作ることができないため、価格も高価に…
―「悪魔の実」は2つ以上食べると体が爆発して死んでしまうのは知っていますよね?
―それと同様に、「悪魔の実」のエキスを練り込んだ衣服を2枚着ると…
2枚着ると、どうなるのですか!