ドールとファッションセンターしまむら (後編)
―ファッションセンターしまむらは26日、インターネット通信販売を開始すると発表し、都内でイベントを行った。
―しまむらは、これまでネット通販での販売は一切行ってこなかった。その理由は、国内に店舗数が1000店舗以上あり、どの地域でも容易に購入ができるため、通販の必要性がないと考えていたからである。
―また、品数が多く在庫の管理が大変なことや、送料や手数料などで価格がアップしてしまい、低価格で販売できないこともネット通販を行わない理由の一つである。
―ネット通販を行わなくても、チラシやCMに力を入れ、しまむらには若い女性客が多数訪れている。
―しかし、その反面、年配のいわゆる「おじさん」達は店内に入り難くなってしまった。
―特に、等身大ドールユーザーの悩みは深刻で、ドールに着せる女性用、または、子供用の服や下着を選んでいると変質者に間違えられ、店員に声を掛けられる事案が多く発生している。そのため、しまむらに入店するには、かなりの勇気が必要だ。
―そこで、今回、こうした等身大ドールユーザーに配慮し、ネット通販を開始することが決定した。詳しくは、しまむら通販サイトをご覧ください。
―イベントには、グラビアアイドールの沙織(さしき)さおりが登場し、ファッションチェックを行った。
―それでは、早速、沙織さんのファッションをチェック…と言いたいところですが、前半部で勝手に衣装を見せつけていたので…
―今回は、ファッションではなく、沙織さんのカバンの中身をチェックさせていただきます。
えーっ!?聞いてないですよ!
―マネージャーさん、沙織さんのカバンを持ってきてください。
ちょっと勝手に…
―目に見えるファッションも大事ですが、目に見えないところに気を配るのも、女性としては大切なことです。
はぁ…。
―これが沙織さんのカバンですか?やましいものは入っていないでしょうね?
大丈夫です。
―キャーーーッ!!!何ですか、これは!TENGAだらけじゃないですか!何でこんなものが入っているのですか!
護身用です。襲われそうになったら、このTENGAを囮にするのです。最近、未成年の誘拐事件が増えていますからね。防犯ブザーとTENGAは外出時の必需品ですよ!
―そうですか、時代は変わったのですね…。
―カバンはもういいです。次は財布の中身をチェックさせていただきます。
今度は財布ですか?
いいえ、これは自分で開けます。中身を盗られたら嫌ですからね。
―盗りませんよ!じゃあ、ご自身で開けてください。
財布のマジックテープの音ですよ。
―なんだ…脅かさないで下さいよ。
―で、現金はいくら入っているのですか?
現金は入っていません。
―では、カード類を見せていただけますか?
カードもありません。
―じゃあ、何のために財布を持っているのですか?
そんなの決まっているじゃないですか!
「ポケットTENGA」を入れるためです!
―またTENGAか…。