ドールとAmazon.co.jp (後編)
―インターネット通販大手アマゾンジャパンは17日、注文を受けてから商品が届くまで、全て無人で行う新サービスを開始すると発表し、都内でイベントを行った。
―すでに、米アマゾンでは、超小型無人機を使った宅配サービス「プライム・エア」の実現へ向けて準備を進めているが、日本では、このシステムに加え、商品の選別や梱包を「ドール」に作業させることにより、注文からお届けまで完全無人化を目指す。
―ドールはオリエント工業に製作を依頼。通常のドールと異なり、耐久性を重視した作りとなっており、24時間常に働き続けても約50年は故障することがないよう設計されている。
―ドールの体内には「インテル」が入っており、自分の意志で自由に動くことができる。さらに、アマゾン倉庫内の全ての商品の位置と在庫数がインプットされており、人間の約3倍の速さで商品にたどりつくことが可能となっている。
―この完全無人化システムが実現すると、人件費が一切掛からないため、お客はより安く商品を手にすることができる。しかし、同時に大量の失業者を出すことになり、アマゾンジャパンでは、早期の退職者を募っている。
―イベントには、アマゾンジャパンで実際に使用されるドールのボディを装着した沙織(さしき)さおりが登場。以下、イベントの様子をご覧ください。
―沙織さんには新開発のボディを装着していただいていますが、どうですか、そのボディは?
いやー、凄いです。さすが「インテル」が入ってるだけのことはあります。その上パワーもあって、重い荷物も楽々持てます。
―では控室に置いてある沙織さんのボディは処分しておきますね。
えっ!?ちょっと待ってください…
―別にいいじゃないですか、沙織さんには、この新しいボディがあるのですから。新しいボディで新たな一歩を踏み出しましょう!
…分かりました。捨てちゃってください。
(中略)
―それでは、これでイベントを終了させていただきますが…っと、その前に沙織さん、そのボディの代金はカードでお支払いですか?それとも現金で?
えっ!?このボディって、くれるんじゃないんですか?
―当たり前ですよ!タダであげるわけないじゃないですか!代金が払えないのなら返してもらいますよ!
いや、でも、以前のボディは処分してしまったし、このボディを返したら首だけになってしまいますよ…
―どうするのですか?
―5000万円です。
無理ですよ!都知事じゃあるまいし、そんなお金ありません!
―仕方がないですね。では、その体で払っていただきましょう。
な、何を…
倉庫だけは…アマゾン倉庫だけは勘弁してください!
―大丈夫ですよ。今の沙織さんなら20年も働けばシャバに戻ってこれますよ。