ドールとはたちの献血 (後編)
―日本赤十字社は10日、都内で平成26年「はたちの献血」キャンペーン記者発表会を行った。
―「はたちの献血」は今年で40回目を迎える。過去にはスポーツ選手、俳優、女優、歌手など様々な著名人を起用し、キャンペーンを行ってきたが、今回、初めて人形界から沙織(さしき)さおりがキャンペーンキャラクターに選ばれた。
―それでは、沙織さん、皆さんにご挨拶をお願いします。
はい。
この度「はたちの献血」キャンペーンキャラクターに就任した沙織さおりです。私の血液でよければ、いくらでも献血いたします。
―沙織さん、血流れてないじゃないですか!
―ところで、最近若者の献血離れが進んでいますが、若者が献血してくれる何か良い方法はありませんか?
うーん…
献血スタッフと麻雀で勝負してもらい、勝ったら現金を差し上げ、負けたら血を抜き取るのです。
―それだと多額の現金が必要になってしまいますよ。我々はボランティアですので、そのようなお金はありません。
大丈夫です!私の知り合いに赤木しげる君という麻雀の強い子がいますので、彼に協力してもらえば100%負けることはありません!死ぬギリギリまで血を抜き取ってやりますよ。
―でも、麻雀の勝負がつくまで何年も掛かりそうな気がするのですが…って、その前に一人の献血量は決まっていますから!
では、こういうのはどうでしょう。私が、脱衣麻雀で勝負してワザと負けて、相手が鼻血ブーしたところを採取するのです。
―沙織さん、麻雀から離れてください!あと、鼻血は使えませんから!
では、こういうのはどうでしょう。献血してくれた人の中から抽選で、ブランドのバッグや最新ゲーム機をプレゼントするのです。
―先ほども言いましたが、我々はボランティアですので、プレゼントを買う資金はありません。
大丈夫です!プレゼントとは名ばかりで、実際には抽選も発送もしないのです。「当選は賞品の発送をもって代えさせて頂きます」って言っておけば誰も気づきません。
―ひどいことを考えますね。
そうですか?これぐらいどこの企業でもやってますよ。そう、例えば、秋…
―沙織さん!それ以上言うと、この業界から消されますよ!
分かりました。こうなったら最後の手段です。私の本家「オリエント工業」のドールたちに献血に行くようにお願いしてみます。
―だから、血流れてないじゃないですか!邪魔だから来ないで!