ドールとニコニコ生放送 (後編)


―グラビアアイドールの沙織(さしき)さおりが26日、ニコニコ生放送に初登場した。


―収録はニコニコ本社・1階スタジオで行われ、放送は既に終了したが、見逃してしまった人の為に、今回、特別に放送の一部を紹介する。


―本日のゲスト、沙織さおりさんです。

よろしくお願いします!


―どうぞ、席にお座りください。

はい。


―今日は、いろいろ答えにくい質問もあるかと思いますが、心の準備はよろしいですか?

大丈夫です。何でも聞いてください。


(中略)

―ところで沙織さん、ずっと気になっていたのですが…人形なのにどうして動いたり、しゃべったりできるのですか?


ついに、この質問が来ましたか…。

―視聴者からも、この件に関して沢山のメールを頂いております。

分かりました。では、私の秘密についてお話ししましょう。


実は、私は元人間なのです。そう、あれは私がまだ、普通の錬金術師だったころのお話です。


ある日、錬金術で儲けた私は、オリエント工業の「リアルラブドール」を買ったのです。初めのうちは、ただ見ているだけで十分でした。しかし、時が経つにつれ、このドールが動いたり、しゃべったりしたらどんなに素晴らしいことだろう、と考えるようになリました。


そこで、私は決心しました。錬金術でこのドールに「生命(いのち)」を作ろう!…と。


しかし、生命を作る行為は「人体錬成」にあたり、錬金術における最大の禁忌。私は悩みました…が、ついに実行してしまったのです。


結果は…失敗。それどころか、人体錬成を行った代償として身体(からだ)を全て持っていかれてしまったのです。


身体を失った私でしたが、自分の魂を傍にあったラブドールに定着させることに辛うじて成功し、なんとか死だけは免れました。


それが、現在の私なのです。


元の体に戻る為には、絶大な力を持つ「賢者の石」が必要です。そのために私は…


賢者の石を求めて、日々ドラクエをプレイしているのです。


―お話の途中、申し訳ありませんが、そろそろ放送終了のお時間となりました。それでは、いつもの決めゼリフをお願いします。

分かりました。


なーんてね。全部ウソです。
以上、ニコニコ動ルでした。

―ありがとうございました。



- おまけ -



せっかく初音ミクの衣装を着たので、ウイッグを付けてみました。


ネギ。


初音ミクになったの何度目だろう…。


では。



- 視聴者の反応 -



沙織登場


生声


錬成陣


放送終了

- おわり -

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