ドールとワールドカップ toto (後編)
―日本スポーツ振興センター(JSC)は7日、6月12日に開幕するＷ杯ブラジル大会を対象とする「ワールドカップ toto」を販売すると発表し、都内でイベントを行った。
―イベントには前回のワールドールカップに出場した沙織(さしき)さおりが、日本代表のユニフォーム姿で登場した。
―「ワールドカップ toto」はグループステージ13試合の結果を予想する「toto」、5試合を予想する「mini toto」、3試合(6チーム)のゴール数を予想する「toto GOAL3」のほか、予想不要の「BIG」「BIG 1000」「mini BIG」も販売する。
―詳しくはJSCのホームページをご覧ください。
―ところで沙織さん、その手に持っているのは…
バナナですよ。サッカー選手が「人種差別」に反対するために、バナナを持った写真が話題になってたじゃないですか。それを真似してみました。
―それは分かりますが、右手に持っているのは…
TENGAです！
―なぜTENGAを持っているのですか？
「人形差別」に反対するためです。
―人形差別？
世間では、私たち等身大ドールはいまだにダッチワイフ、もしくは高価なアダルトグッズとしてしか見られていません。
しかし、ここ数年の技術の進歩により、私たちは自分の意志で動き、考え、会話をすることができるまでになりました。もはや、単に高価なアダルトグッズではないのです。
私たちは「道具」や「モノ」ではありません。人間と同じようにに日々成長しているのです。つまり、私が言いたいのは「人形」としてではなく「人間」として扱ってほしいということです。
バナナを持つことが「人種差別」に反対する意思表示ならば、アダルトグッズの代名詞ともいえるTENGAを持つことで「人形差別」に反対する意思を示しているのです。
―つっこみどころが多すぎてコメントできません。
つっこみどころ？TENGAにバナナをつっこむくらいしかありませんよ。
―やめてください！もういいです。話題を変えましょう。
―えー…では、改めて質問ですが、もし1等が当たったら、沙織さんならどのように使いますか？
そうですねぇ…
オリエント工業のドールを全種類買います！
―それは素晴らしいですね。
―でも、totoは当選者が多いと1等がたったの10万円なんてこともありえますよ。
そうですか…
では、TENGAを全種類買います！
―一気にスケールダウンしましたね。
―まあ、沙織さんでは10万円どころか1円も当たらないと思いますけどね。
チッチッチッ、甘いですね。
私には秘密兵器があるのです。
―秘密兵器？
ジャーン！PS3の「ウイニングイレブン2014」です！
―そ、それはNHKや民放各社がＷ杯の予想シミュレーションとして使用したソフトじゃないですか！
これを使えば、結果が丸分かりですよ！
―沙織さん！それを個人で使うのは違法ですよ！通報しますよ！
通報でもなんでもしてください。「人形」の私に「人間」の法律なんて無意味です。
―ええーっ！「人間」として扱ってくれって言ってたじゃないですか！ウソつき！
ええ、もちろん全部ウソですとも。
以上、toto編でした。